地方創生を実現するためには、地域の新たな稼ぐ力となる産業を創出し、地域に雇用を生み出すことが重要であり、地域資源の活用による新たな商品やサービスの開発、観光振興に大きな注目が集まっています。 
  出雲商工会議所が、地域資源として薬草に注目したのは平成23年のことでした。「若手行政職員と若手商工業者・商工団体職員との意見交換会」検討成果発表会で、「薬草栽培による産業振興」が発表されたのです。なぜ、薬草なのかというと、現存する最古の風土記である出雲国風土記には61種類の薬草の記載があるとともに、出雲大社の御祭神である大国主命は「因幡の白兎」の神話でも知られるとおり医療の神さまともいわれ、出雲地方は豊富な薬草を活かした医薬先進地であったことが伺えるからです。

これを受けて、平成23年度から3年間にわたって地域力創造委員会で、薬草による地域振興を模索してきました。薬草を利用した産業の可能性を探る中で、平成24年に大手化粧品会社が実施した美肌県グランプリにおいて島根県が1位に輝き、一躍美肌県として注目を集めました。以降、平成27年まで4年連続1位の座にあり、マスコミでも取り上げられるなど、美肌県としての地位を不動のものにしています。また、全国有数のパワースポットとして知られる出雲大社では、平成25年の平成の大遷宮には804万人の観光客が訪れ、その6割は20代~40代の女性であったことが島根県の調査で明らかになっています。さらに、日本三美人の湯「湯の川温泉」の存在も地域資源の重要な要素です。

そこで、平成26年度には、商工会議所が様々な関係者と一体となって、薬草を具体的に新たな商品・サービスに結び付けていくために、日本商工会議所の「地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」の支援を受け、薬草=健康というありがちな概念から、薬草の中でも美容や美肌に効果のある薬草を使って美に特化し、若い女性をターゲットにした「出雲“薬草×美活”プロジェクト」を立ち上げ、推進委員会を設置してプロジェクト全体のコンセプト設定や使用する薬草の選定などを行ってきました。

そして、平成27年度は地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト本体事業1年目として、商品開発や観光ルートの開発に次のとおり取り組みました。





食べるお守りは、この2~3月に、東京ビッグサイトで開かれた「第81回東京インターナショナル・ギフトショー春2016」で多くのスーパーやコンビニのバイヤーに注目され、ちかく東京のコンビニの店頭に並ぶ話も本格化しています。

今後は、アカメガシワや別の薬草を利用した商品を企画して、「食べるお守り」を出雲のハーブシリーズとしてブランド化を目指します。さらに、食品だけでなく、入浴剤・化粧品など、多くの業種に枠を広げ、出雲薬草×美活プロジェクトを地域ブランドとして育てていきたいと考えています。

一方、ポスト遷宮の新たな観光資源として「薬草×美活」に注目し、着地型観光の可能性をさぐるために実施したツアーは、各コンテンツの質の向上を図り、出雲市、出雲観光協会を含め、オール出雲で受けいれる体づくりが急務です。そのうえで、販売チャネルとして、平成27年3月に全線開通した中国横断自動車道尾道松江線並びに同月から就航した出雲空港の名古屋ー出雲線を活用し、四国・中部・東海方面への情報発信を強化し、事業化めざします。

地域ブランドは、地元でみんなが知っていて誇りに思えることが重要です。今後は一層、地元での認知度の向上への取り組みに努めていきたいと考えています。

                        平成28年2月 出雲商工会議所








出雲商工会議所
産業振興課

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